311〜Vol.18
夜になると涙が出る。娘の手前泣かないよう努力していたものの駄目だった。両親・兄・妹家族、今まで一緒に暮らしていたも同然だった。結婚してから今まで実家には頼りっきりだったし、家を建てる前から実家に車で5分とかからないところに住んでいた。
自宅は、震災時、築5ヶ月だった。小学校も中学校も徒歩10分圏内。最寄駅も15分程度。娘が小学校から高校まで子育てするには十分すぎる立地だった。何より、共働きのわたしたちにとって、実家が近いのが何より安心で、娘をよくみてもらっていた。隣人のWさんの長女とは同級生で、これからどんな女の子に成長するか楽しみだと話たものだ。
娘は和太鼓を習っていて、お兄さんグループは県の大会で準優勝する程実力のある団体だった。いつかうちの子も彼らのような太鼓奏者になるのかと楽しみにしていた。先生方や父兄との関係も良好で、夫ともこの団体に出会えたのは娘にとってとても幸運だと話していた。
そんな、矢先だ。東電、そして国策により、わたしたちは全て奪われた。決して大きくなく、慎ましくも大事なわたしたちの日常。それを一気に奪った。
絶対許さない(この時の心情です。そのまま手記には書いてある。)
お金ではない。お金で買えないものもあるのだ。お金を貰って解決できない、人とのつながり、子育ての環境。わたしたちが裕福でなくともコツコツ積み重ねてきた周りとの信頼関係。
原発事故避難指示により、全てを破壊された。
続