あの日

311〜Vol.22

329

埼玉県○○郡○○町立○○小学校に見学へ行く。教頭先生が窓口になってくださった。一通り校舎を案内された後、一室に案内された。

ジャージはOBからかなりの数が集まったらしく、娘の体に合った物を選んだ。

必要なものがはっきりしたので買い出しに行く。学校によって色々だ。箸はマイ箸だし、ランチョンマットも毎日持参する。細々とお金がかかるが娘が使いたいものを選ばせた。

登校班に新しく入るのに、一人500円の図書カードを渡しあいさつをするのが慣例だという。7人分用意しなければならない。わたしたちにとって痛い出費だったが従兄弟にルールだと言われ従った。

ランドセルは地元自治体職員の娘さんのを譲り受けた。ちょうど卒業のタイミングで、そのほかに鍵盤ハーモニカやら色々いただいた。ありがたい。娘にそれを渡すと、黙って受け取った。古いランドセル。子どもなりに、この状況を理解している。いじらしくて、娘を抱きしめた。

娘の福島での同級生のお母さんから、連絡がきた。今は東京に避難しているという。近況が聞けて、とてもうれしかった。この頃には、あちこち散り散りになった人たちから連絡が入るようになっていた。職場の同僚が時々、電話やメールをくれる。そんなメールの一つ一つは、氣持ちを保たせる力になった。皆、励ましてくれた。

皮肉なもので、この一件で、いかに自分が恵まれていたか、自分、そして周囲の人たちへの想いが再認識できたのだ。

福島の浜通りに暮らしていた。多くの友人たちは福島に残っている。なかなか支援物資が入らない。そんな報道も目にしたし、実際友人たちの苦労は大変なものだった。それなのに、わたしたちのことを氣にかけてくれる。いつか恩返しできるだろうか…。

今、(なにも無い)わたしに、恩返しができるだろうか。

新学期が始まる前にと、娘を近くの公園に遊びに連れ出す。久々の外遊び。もはや放射能の影響は関東も例外でなく、極力外遊びはさせていなかった。それでも久々に喜ぶ娘を見て、とても嬉しかった。

食べ物も氣になる。見えないものへの恐怖は、なかなか拭えなかった。

投稿者

mie.208.1119@gmail.com
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