311〜Vol.1
当時、勤務先は自宅から40分ほど車でいったところにあった
そこで、あれは起こった
2階にあった職場は、直前に新しくしたパーテーションはぐちゃぐちゃに歪み、自動ドア、窓という窓が聞いた事もない音を立て歪んだ
書類は散乱し、一瞬で足の踏み場もない
当然人は立ってなどいられない
建物が危ないということで全員駐車場へ避難した
スマホで誰かがテレビ中継を見出した
地元の港の様子
たくさんの車が流されていた
見たこともない映像に皆パニックを起こす
こんなところで死にたくないと、同僚が泣き出す
わたしも・・・繋がらない電話、メール、心配は頂点だった
なかなか帰宅を許されず時間が過ぎる、誰かが自宅の遠い人から帰してあげてと上司に声をかけた
そこから二ヶ月同僚と会えなくなるとは思いもしない
帰宅する途中、先ほどの映像が頭をよぎる(海沿いはダメだ)
いつもの通勤路ではなく、山の中を走るルートに切り替えた
これが運命を変えたのを、後で知ることになる・・・
ガソリンを氣にしながら、やっとの思いで我が町まで辿り着いたのは18時を回っていた
続