天使
手記とは別に、記すべき出逢いがある
あの日から二ヶ月経った頃、どうにもこうにも氣が上がらず会社へ行きたくなかった
嫌でも耳にする震災後の爪痕
差別
故郷を離れたもの、残ったもの
それがたとえ二ヶ月だろうと人々を分断させた
強制避難なのか否か、そんなことでいがみ合いたくなどない・・・
そんな殺伐とした日常の中、通勤途中、嫌だなという氣持ちのまんま空を見上げた
そこに天使がいた
間違いなく天使だった
わたしに、そうだと答えた
涙が溢れた、だがそれ以降、目にすることがなくなった
その理由も今ならわかる
現れてくれた理由も、姿を眩ました理由も
わたしが人間であるから
精神世界へ逃げず、この目の前の現実を生きることが、わたしにとって何より必要であったから
だから、お前はひとりではないと、一度現れることで強烈に鮮明にわたしの中に愛を残し
そして、姿を見せないことでまた、愛で包んでくれたのだ
宇宙は神は常に完璧に用意してくれている
愛は常に在ることを示している
究極の癒しとは、在るを知ることだと今ならわかるのだ