311〜Vol.6
爆発した
安心安全と言われていた原発が爆発した
本当のことなのか、目を疑う光景
あと少ししたら帰れる・・・わたし達の期待は粉々に打ち砕かれた
家はどうなる、故郷はどうなる
兄は、今どこだ
夜、眠れるはずがない
耳鳴りがずっと止まない
「○○(兄の名)は被曝しているのか?・・・」誰に問うているのかわからない言葉を発し、母が泣く
大丈夫だから、お兄は大丈夫だから、そう声に出せなかった
兄と再会出来たならば、わたしが面倒をみる
被曝していようが、わたしがずっとそばに居る、そんなことを思った
今まで兄にしてもらった事への恩返しもできていないのに、いきなり引き離された
それもこんな、最悪な形で
わたしが兄の世話をするんだ、側にいるんだと思うことで、兄への氣持ちを繋いでいたのかもしれない
いつ・・・会ったっきりだろう・・・涙が溢れた
義弟のお姉さんに与えられた和室で、わたしたち家族は、全く眠れないまま一夜を過ごした
出されたおむすびにも手を付けず
ただ長い長い夜を、真っ暗な夜を過ごしたことを、今思い出した
続